化学

ギロチンの露と消えた「近代化学の父」

2013年8月27日 18:37

フランスの化学者、アントワーヌ・ラヴォアジエは「質量保存の法則」を発見したことや、燃焼が「燃素」という因子の放出によって起こるという燃素説を打破したことから、「近代化学の父」と呼ばれている。若くして化学者の道を選んだ彼は膨大な研究費をねん出するために、徴税請負人になった。市民から徴収した税金の一部を国庫に納めれば、残りは自由に使うことができたからである。ところが、これがのちに仇になった。フランス革命が起こると徴税請負人は次々に監獄に送られ、ギロチンにかけられた。ラヴォアジエに対する助命嘆願は、「新しい共和国に科学者はいらない」と退けられた。数学者・天文学者のジョゼフ・ルイ・ラグランジュは、ラヴォアジエの死の翌日、「彼の頭を切り落とすのは一瞬だが、このような頭脳を持つものが現れるには一世紀でも足りないだろう」と述べたと言われる。

 

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