化学

蛍光X線で解き明かす古代ガラスの出身地

2014年2月1日 18:29

弥生時代の遺跡や古墳時代の古墳から、ガラス玉を使った装飾品が出土することがある。弥生後期の遺跡から、ガラス炉跡と考えられるものが見つかっているが、当時の日本に高度な技術があったとは考えにくく、それらの多くは海外から渡来したと考えられている。とはいえ発見されたガラス玉は造りが簡素であるため、形から作られた地域を判断することは難しい。東京理科大学の中井泉教授らは、試料にX線を当てて発生する蛍光X線を分析することで明らかになる元素の種類や濃度から、ガラスの素性を導き出す研究を進めている。ガラスは作られた地域により、元素の組成が異なるため、分析結果からどの地域から日本に来たのかがわかるのである。西日本で出土するガラス玉の多くは、インドや東南アジアの遺跡から見つかるガラス玉と微量成分まで一致。着色に使われた顔料の種類や成分も同じだった。「日本の古代ガラスは、海上交易によって東南アジアや南アジアから運ばれた可能性が高いことが科学的に実証された」と中井教授は語る。こうした考古化学の研究により、稲、酒、ゴマなど大切なものを運んできた記録には残っていないが重要な海上交易の真の姿が明らかになってくるのを期待したい。

(参考 朝日新聞 2013年12月2日)

「蛍光X線って何だろう?」

「蛍光X線」

「東京理科大学 理学部 応用化学科 中井研究室 考古化学成果」

「文理融合型研究 ― X線で文明史を読み解く」

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