化学

アミノ酸分析で縄文人の食生活がわかった

2014年2月1日 18:31

人体を構成する元素。そのほとんどが食べ物に由来する。この点に着目し、遺跡から出土した人間や動物の骨を調べ、古代の日本人が何を主に食べていたのかを明らかにする研究が進んでいる。東京大学の米田穣教授らが着目したのはアミノ酸に含まれる窒素。窒素は食事によって体内に取り込まれるため、食生活を推定するヒントになると考えたのである。

米田教授は、縄文時代早期の栃原岩陰遺跡(長野県南佐久郡北相木村)から出土した人間や動物の骨から得たアミノ酸に含まれる窒素を分析した。人間の窒素同位体比は、草食性のシカ・ウサギ・イノシシよりも、肉食性のキツネに極めて近い値だった。栃原岩陰遺跡は規模が大きく、多くの人間が住んでいたと考えられる。そのため、安定的に食料を確保できる農耕が始まっているという説があるが、米田教授は「農耕生活が中心なら、草食動物に近い値を示したはずだ。この地域では農耕はまだ発達していなかったのでは」と語る。日本における農耕の起源は不明な部分が多いが、こうした研究により、一気に解明が進むことを期待したい。

(参考 朝日新聞 2013年12月2日)

「学問図鑑 (第6回 先史人類学への誘い) – Kei-Net」

「縄文人は何を食べていたか — 新しい科学が明らかにする日常」

「栃原岩陰遺跡北相木村考古博物館-遥か西方に八ヶ岳連峰を望む標高約960mの自然豊かな山間地にあります-」

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