楽校コラム

最古の録音装置には再生手段が無かった。

2013年12月27日 20:35

世界最古の録音装置といわれているのは、1857年にフランスのレオン・スコットが発明した「フォノトグラフ」。音声が振動であることは古くから知られていたが、スコットは音の波形を目に見えるものにするために、樽状の箱で音声を拾い、箱の底の振動を針に伝えてススを塗った紙やガラス板の上に波形を描く装置を考案した。後の実用化されたレコード録音と原理はまったく同じである。……しかし、この装置にはある欠点があった。記録するだけで、波形を見ることはできるが、聞くことが出来なかったのだ。知らない人が見れば単にススが削られた跡にすぎなかった。再生することが出来ないのだから当然だ。

録音した音の再生手段込みの機械が発明されるのは、それからおよそ20年もたってのことだった。とはいえ、スコットの研究は、拾った音声を電気信号に変えて遠隔地に伝える電話を発明したベル、波形を錫箔や蝋管に記録することで再生可能にしたエジソンの蓄音機の発明の偉大な先駆けである。

長い間「記録」だけだったスコットの音声が日の目をみたのは録音から150年以上たった2008年。フランスの科学アカデミーがスコットの記録をコンピュータ解析し、波形を再生することに成功したと発表した。この「人類最古の録音」は、以下のページで公開されている。

Edouard-Leon Scott de Martinville’s Phonautograms

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