楽校コラム

世界最高の数学者は飲んべえ?

2013年12月27日 21:26

世界最高の数学者はいったい誰だろう。

フランス人ならフェルマーやガロア、パスカルの名前を挙げるだろうし、イギリス人なら当然ニュートンを推薦し、ドイツ人ならガウスやリーマン定数のベルンハルト・リーマンを世界一だと主張するに違いない。だが、彼らは所詮、数学や科学の分野においてのみの天才にすぎない。11世紀から12世紀初頭にかけてのイランに、数学、天文学、そして文学においても天才であった、一人の超天才が存在した。その名はオマル・ハイヤーム。しがない天幕作り職人の息子として生まれた(オマルとはペルシア語で天幕の意味である)彼は、やがて天文学者として頭角をあらわし、スルタンの王宮天文台の台長に26歳で任命された。そして、ここで彼はそれまで使われていたペルシア暦に誤差が多いところから、それを改訂した暦を作成する。この暦はむちゃくちゃに正確で、5000年に1日しか狂わない。ちなみに、現在の暦に使われているグレゴリウス暦はオマルの時代から500年以上たってから作られた暦だが、3330年ごとに1日の狂いが出て、オマルの暦より不正確である。そんな大きな仕事をなしとげながら、数学者としては三次方程式の解の研究で有名であり、現在の代数学の基礎を作ったとまで言われている。また、幾何学の分野での成果もめざましい。そして、学者としての仕事のかたわらで、酒を愛し、美女を愛する四行詩『ルバイヤート』を書き記し、これは19世紀になって再評価され、日本でも太宰治の『斜陽』に引用されるほど有名になった。

数学者・天文学者であるからにはハイヤームは非常に理論的な思考を尊ぶ人物であったことだろう。現に、非常に理屈っぽい人間だったという記録も存在する。しかし、一方で彼はその詩で「もうわずらわしい学問など捨てて酒を飲もう」と歌っている。非常に振り幅の大きい、学者と詩人の間を揺れ動いた人物だったのだろう。

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