楽校コラム

「自販機のコイン投入口には縦型と横型がある」

2014年10月24日 21:52

象の鼻が長いのにも、シュウマイの上にグリンピースが乗っていることにも、ちゃんと意味がある。世の中に、意味なく出来ているものは何ひとつないと言っていい。問題は、その隠された意味に気がつくだけの感受性を諸君が持っているかどうか、ということだ。

たとえば、自動販売機。現代の日本社会で生活していれば、毎日、どこかで目にし、利用するだろう自販機だが、このコイン投入口に、2種類あることをご存知だろうか。そう、コインを縦に投入する形式と、横向きに投入する形式だ。

記憶をたどってほしいが、現在の自販機の大半が、横向きにコインを投入するものであることに気づくと思う。縦型は、主に駅の、乗車券などの販売機に多い。

これは単なるデザインではなく、自販機内部の構造に関わっている。縦にコインを入れる方式の方が、コインの回転による遠心力が働いて、コインは早く落ちて、識別装置にまで到達する。しかし、この方式は装置にある程度スペースを取ることが必要となる。そのため、急いでチケットを買いたい人が並ぶような、駅の乗車券販売機などに採用されている。

一方、町中に置かれる自動販売機は、最近はどんどんスリム化が進み、道路を通行する人たちの邪魔にならない、設置スペースを出来るだけ取らないことを要求される。そのため、滑り落ちていくのに多少時間はかかっても、コイン収納ボックスのスペースをあまり取らないですむ横入れ方式を取っているのだ。

「ただ見るということと観察するということは大違いなんだ」
というのは名探偵シャーロック・ホームズのセリフである。普段何気なく目にしているだけのものも、ふと気がついて、何故なんだろう、と考えるきっかけになると、それは観察になる。諸君も身の回りにいつもあって、別に不思議とも思わなくなっているものを、もう一度“観察”し直してみるといいだろう。

『自動販売機のコイン投入口に縦型・横型がある理由』
http://b.hishitu.net/2043.html

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