楽校コラム

角の生えたウサギの姿をした怪物の伝説がある

2014年12月4日 16:04

今はあまりそういう表記はしないが、昔の文章を読むと、「とにかく」を「兎に角」と書いているものがある。夏目漱石がよく使ったことで有名で、『吾輩は猫である』には何度も出てくるし、有名な『草枕』の冒頭には「兎角この世は住みにくい」と、「とかく」という形で記されている。今度読む時に探してみればいいだろう。
もちろんこれは当て字で、本来「とにかくに」という言葉が簡略化して出来た言葉だ。
「と」は「あのように」にという意味の副詞、「かく」は「このように」という意味の副詞。ふたつ合わさって平安時代、「とにかくに」「あれやこれや」という使われ方が現れて、やがて中世以降には今と同じ「いずれにせよ」「そんなわけで」という意味に使われるようになった。
「兎に角」という当て字はおそらく、仏教用語にある「兎角亀毛(とかくきもう)」から来た当て字だろうと言われている。ウサギに角が生え、亀に毛が生えるなどはありえない。つまり、実在しないものの例えである。
しかし、アメリカには、この、角の生えたウサギの伝説がある。ジャッカロープという、鹿の角が生えたウサギの話がワイオミング州に伝わっているのだ。その特長は「人の声真似が得意」「好物はウイスキー」などというのだから、アメリカ人の好きなホラばなしであることは丸わかりだが、アメリカの自然博物館には、ジョークとして、この角の生えたウサギの剥製が飾ってあったりするところもある。最近ではCG合成でサイトにアップしているところも多い。夏目漱石がこのジャッカロープを見たら、なんと思ったろう。
「兎に角、世界は不思議に満ちている」とでも考えたろうか。

『アメリカにまるでUMAな角の生えたウサギがいる?!』
http://werehousek.blog.fc2.com/blog-entry-72.html

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