楽校コラム

イタリアのパスタ「バーミセリ」の意味は……

2014年12月4日 16:26

イタリア料理の麺類を日本ではパスタと言いスパゲティとも言うが、スパゲティというのはパスタ(麺類)の一種で細くて長いものを言う。

日本では第二次世界大戦後の1955年に日本製粉がオーマイスパゲティの名前で売り出して以来、普及した。当初はマカロニとスパゲティくらいしか知られていなかったイタリアン・パスタも、最近ではさまざまな種類のものが売り出されており、筒状のパスタをペンのように斜めに切断したペンネ、貝がらのような形をしたコンキリエ、チョウチョの羽のような形をしたファルファッレ、中にひき肉などの詰め物が入っているラビオリなど、眺めるだけでも楽しい形のものがスーパーなどに並んでいる。

そんな中で最近人気なのが、日本のそうめんのように細いパスタ、ヴェルミチェッリである。何故かこれだけは英語で発音したバーミセリという名前で知られているが、断面の直径が1.2ミリ以下のもののことを言い、ビーフンのように炒めたり、スープに入れてにゅうめんのように食べたり、また冷やしてサラダに入れたりする、大変に広い食べ方のできるパスタである。

女性にも人気のこのバーミセリだが、しかしこの名前の意味を知ったら、ちょっと食欲が減退するのではないだろうか。この名前(ヴェルミチェッリ)はイタリア語のヴェルメを語源として、それの指小形がヴェルミチェッリなのだ。(指小形:小さく、可愛らしいことをあらわす語形。例えばロシア語の揚げパンはピローグというが、これの小さいものをピロシキといい、英語で本をブックというが、それの小さいもの、つまり小冊子をブックレットといいい、ドイツ語で女性をフラウというが、それの小さいもの、お嬢さんというのをフロイラインというようなもの)

では、その元の形であるヴェルメ(verme)とはどういう意味かというと、これが「細くて長い虫」という意味なのである。ミミズやヒル、それに回虫やサナダムシなどをイタリア語ではみんなヴェルメという。ヴェルミッチェリ(vermicelli)とはその小さくて可愛いもの、つまり「ミミズちゃん」「ヒルちゃん」「回虫ちゃん」という意味なのである。

確かにパスタはそういう長い虫(昆虫という意味でなく、細長い生物という意味の“虫”)に似ていると言えば言えるが、それを食べ物の名前につけてしまうところ、やはりラテン系の人たちの考えることは、われわれ日本人とは違うなあ、とほとほと感心(?)してしまう。

パスタの一覧
http://www.tuttovabene.org/takao/italia/gastronomi/pasta/lista.html

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