楽校コラム

「ババ抜き」のことを昔は「お婆抜き」と言った

2014年12月22日 19:50

雑学の本を読むと、トランプのゲーム「ババぬき」の語源を、「ババ=糞」として説明しているものが多い。ネコババ、という言葉があるように、猫は自分のしたフンに後足で砂をかけて隠す。つまり、インチキを隠すという意味があり、トランプのババ抜きは、この隠されたジョーカーの札を何とか相手に抜かせるゲーム、ということだ。
カードゲームの専門家でもそう思っている人が多いが、実はババ抜きの「ババ」をジョーカーのこと、としているのは日本だけらしい。あのゲームは海外では「Old Maid(老嬢)」という名前で、クイーンの札を一枚抜き、それで争う。最後にカップルになれなかった女性(クイーン)が一枚残ることからこの名がついた。その1枚のクイーンを、お嫁に行き遅れた老嬢に例えたわけである。
このゲームが、明治時代に日本に「お婆抜き」として伝わり、それが変化してババ抜きになった、という。つまり、ババ抜きのババは本当にお婆さんのことなのだ。
しかし、この雑学はちょっと女性に失礼だし、これを披露するとき、その席に本当の老嬢がいた場合、彼女を怒らせてしまうかもしれない。ババ=猫の糞、とした方が素直に意味が通る。「語源はこうだが、このゲームが広まったのはババの語感が糞の意味のババと似ているから」としておけばいいのではあるまいか。

『old maidの意味・用例』
http://eow.alc.co.jp/search?q=old%20maid

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