楽校コラム

チャックは日本語?

2014年12月22日 19:53

昭和30年代から40年代くらいの学校では、おしゃべりな子はよく先生に
「口にチャックをかけろ!」と叱られたりしたものだ。
チャックという開閉自由の留め具は他にもいろいろ呼び方がある。一般には「ファスナー」、またアメリカ製の衣服についているものは「ジッパー」などと呼ばれる。
もともとファスナーとは英語の「fast」(固く締める、という意味がある)から来た言葉で、留め具全体をさす。スナップボタンや、ネジ、クギも広義のファスナーである。現在、普通にファスナーと読んでいるものは、正式には「線ファスナー」と言い、19世紀末のアメリカ(カナダという説もある)で発明された。それから50年ほどして、アメリカのメーカーがファスナーをしめるときの擬音「zip!」(素早くものが動くときの「シュパッ!」に近い感覚で、アメリカのスーパーヒーローもののコミックスなどにしょっちゅう出てくる)から、「ジッパー」という商品名をつけて売り出し、一般に普及した。

面白いことにほぼ同時期に、日本のメーカーが、同じくファスナーを「チャック」と名付けて売り出し、これも定着した。「チャック」とは英語っぽい響きだが、実は日本古来の「巾着」(紐を引くと口が締まる袋)からの命名だという。つまり、この時代にファスナーは生活に溶け込み、一般化したのだろう。
世界各国も、それぞれの呼び名でこの商品を呼んでおり、中国では「ラーリェン」、ドイツでは「ライスフェアシュルス」、フランス語では「フェルメチュール・ア・グリシェール」(止め用滑り具)と呼ばれる。また、 イタリア語では「キウズーレ・ランポ」(稲妻のような形の締め具)、スペインや南米でも同じ意味で「シェレス・レランパゴス」と呼ばれている。

……「チャック」が日本語からというのは意外な雑学だが、いっぽう、ファスナーのギザギザした歯のことは、専門用語で「務歯(むし)」という。こちらの方も、聞いただけでは日本語とはわからない。

『「ファスナー」と「チャック」と「ジッパー」の違い』
https://www.ykk.co.jp/japanese/ykk/mame/fas_01.html

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