現代社会

昭和中期まで花粉症に悩む人はほぼゼロだった

2014年9月12日 18:17

今や国民病ともなった花粉症。現在、花粉症の発症率は1998年には19.6%だったが、2008年には29.8%にまで増えている。特にスギ花粉症に苦しむ人が多い。しかし、こうした現象が起こるようになったのは比較的最近。日本でスギ花粉の症例が報告されたのは1964年のことだ。つまり、王朝貴族や侍が花粉症に悩むことはほとんどなかったようだ。では、なぜ花粉症に悩む人が増えたのだろう。一番の要因は、第二次世界大戦後、スギの植樹が盛んに行われたこと。スギが選ばれたのは、成長が早く、建築材料として適していることが理由だったが、林業が不振になると伐採されないまま放置されるスギが増えた。ところがスギは樹齢30年を超えると大量の花粉をまき散らすようになる。つまり、スギ花粉の濃度がかつてないほど高くなったわけである。
だが、原因はそれだけではない。
●道路の舗装が進んだことにより、地面に落ちた後、なんども撒き上がる。
●症状を悪化させる黄砂・PM2.5・ディーゼル排気ガスなどが増えた。
●生活環境が変わったことにより、人の抵抗力が弱まった
●他の物質と結合してアレルギーの原因になる可能性のある化学物質を含む工場排煙やディーゼル排煙が増えた
といったことも、要因に挙げられている。
花粉症は抗体が過剰な免疫反応(アレルギー反応)を起こすことで生じる。もともとぎょう虫や回虫などの寄生虫を排除するために働く役割をもつIgEという抗体が寄生虫感染症が激減したことにより、攻撃する相手を失い、花粉を攻撃するようになったという説もある。
症状ごとに効果的な薬が販売されるようになり、患者の苦しみは減りつつあるとも言われるが、花粉症患者の数を劇的に減らすことは困難なようだ。

「花粉症」
「花粉症ナビ」
「花粉症の歴史」
「免疫グロブリンE(IgE)」

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