保健体育

天然痘撲滅から34年。ギニアワームの撲滅なるか

2014年7月1日 19:00

科学がこれほどまでに進化しているにもかかわらず、人類が撲滅に成功した感染症は天然痘だけだ。しかし今、新たに感染症を撲滅することに成功しつつある。その感染症は「ギニアワーム(メジナ虫症)」。ギニアワームの幼虫はミジンコに寄生している。水道設備が発達していない地域で、池や沼の水をそのまま飲んだ際に、ミジンコを体内に取り込んでしまうと、ギニアワームは腹部で成長し、最大1mにもなる。そして、足先などから皮膚を食い破って出てくるのだ。世界保健機構(WHO)は、1986年にギニアワーム撲滅を正式目標に掲げた。当時はサハラ砂漠以南のアフリカを中心に世界20カ国で350万人もの患者がいたが、2013年には5か国148人まで減った。水道や井戸の建設、患者の追跡調査、安全な水のない地域でのフィルター付きストロー等の配布、劇・絵本・紙芝居などを使った子供に対する教育活動などの多角的な取り組みが功を奏したのである。
ちなみにWHOが「撲滅宣言」を出すのは世界中の患者がゼロになってから3年後。天然痘に関しては、1958年に根絶計画が始まってから22年たった1980年に撲滅宣言が出されている。残念ながら、ギニアワームの根絶には天然痘以上に時間がかかることになったが、できるだけ早く達成してもらいたい。

「天然痘」
「天然痘(痘瘡、smallpox 、variola)」
「メジナ虫症(ギニア虫症)について」

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