日本史

江戸時代後期、雪の結晶の美しさに虜になった殿様がいた

2014年10月21日 22:45

大ヒットした映画『アナと雪の女王』。さまざまな場面で現れる雪と氷の結晶の美しさに魅せられた人も多いだろう。実は、江戸時代後期に、雪の結晶模様が「雪華」ともてはやされ、大変なブームになっていた。火付け役は、下総古河藩の第4代藩主の土井 利位(どい としつら)。江戸幕府の老中も努めた大物である。利位はオランダ伝来の顕微鏡を使い、雪の結晶を観察し、スケッチした。1832年(天保3年)に、それらをまとめた『雪華図説』という本を出した。『雪華図説』は私家版であり、発行部数も少なかったが、越後の国(新潟県)の商人・鈴木牧之(すずきぼくし)が、江戸の人々に越後の暮らしぶりを紹介するために書きおろした随筆『北越雪譜』に利位の描いた図鑑を使ったことから、雪華模様が知られることになり、大ブームが起こった。手ぬぐいから着物までさまざまなものに使用されたという。
ちなみに、利位は大坂城代を務めていたときに、雪を観察していたという。現代の大阪ではそれほど雪は降らないが、当時の日本は江戸小氷期と言われるほど寒冷で、大阪でも雪は珍しくなかった。大坂城は、雪と氷の宮殿になっていたのだ。
(参考 毎日新聞 2014年 6月12日)

「土井 利位
「雪華図説 – 茨城県 」
「“雪の殿さま”と大炊模様―土井利位 」
「鈴木 牧之」
「北越雪譜」
「近代デジタルライブラリー – 北越雪譜. 初篇 巻之上」

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