生物

老廃物を貯め込む「ごみ箱」に注目して大発見。(その1)

2014年10月21日 22:54

人間の体内では、1日に約400グラムのたんぱく質が新たに作られている。とはいえ、食事で採るたんぱく質は80~90グラムにすぎない。不足分はいらなくなったり、傷ついたりした体内のたんぱく質を分解・再生して使っている。この仕組みを「オートファジー(自食作用)」と呼ぶ。オートファジーのプロセスを世界で初めて明らかにしたのが東京工業大学の大隅良典教授だ。
1988年、東京大学教養学部の助教授になった大隅さんは、当時、細胞内の老廃物を貯め込む「ごみ箱」としてほとんど誰も興味を示していなかった「液胞」に注目。この器官が細胞内の分解に関わっているのではないかと考えた。大隅さんの頭に浮かんだのは単細胞生物である酵母。飢餓状態に陥ると細胞内部をつくり変えて胞子を形成し、休眠状態となって危機を乗り越える性質をもつことから、液胞が分解機能をもつとすれば、胞子を形成する時にその機能が活発に働いていると考えた。「非常に簡単な、しかし誰も思いつかなかった研究」は見事に成功。飢餓状態にして数時間たつと液胞の中に小さな顆粒が蓄積していき、激しく動き回っていた。液胞のオートファジー機能のプロセスを世界で初めて確認した瞬間だった。

「オートファジー」
「一般向け – 水島研究室 分子生物学分野|オートファジー 」
「オートファジー(自食作用)」
「液胞」
「酵母」
「胞子」

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