生物

マグロが時速100kmで泳げる秘密

2014年10月21日 22:59

魚好きの日本人の中でもトップクラスの人気を誇るマグロ。エサや産卵場所を求めて長距離を移動するマグロの遊泳時速は60km、瞬間的には100kmを超えるともいわれる。
ちなみに、ヒトの100m自由形の世界記録が46秒91で時速約7.6km(2009年ブラジルのシエロフィーリョが出した記録)。イルカは45km超えの観測結果がある。
マグロが高速で泳げる要因はいくつかあるが、第一に挙げられるのは、抵抗の少ない紡錘形のボディだ。方向を変えるときに使う胸ビレ、腹ヒレ、第一背ビレは必要のないときにはボディの窪みや溝に収まっているので抵抗が少ない。ウロコが小さく、表皮に埋もれているのも抵抗を少なくするのに役立っている。
また、魚の多くが身をくねらせて泳ぐのと違い、マグロは大きな尾ビレを強い筋肉で動かすことによって推進力を得ている。
さらにマグロは、筋肉が長時間にわたって強いパワーを生み出せるように奇網という組織を進化させてきた。奇網では、温かい静脈と冷たい動脈が入り組んでおり、静脈の熱が移ることにより、動脈の温度が上昇する。それによって筋肉の活動が促進されるのである(※)。なお、捕獲されたマグロは暴れるので、一気に体温が上昇する。その結果、肉質が変化し味が一気に低下する。こうした現象は漁業関係者から「ヤケ」と呼ばれ、最も嫌われる。生煮えのような身になって、食感はパサパサ。弾力が失われ、刺身としての商品価値はほとんどなくなるという。そのため 釣り上げたマグロは、速やかに延髄を切断したり、急速に冷やす、など、できるだけ早く処置しなければならない。

※ほとんどの魚の場合、筋肉で生じた熱は静脈中の血液に移った後、呼吸時にエラから放出される。

「マグロ」
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