世界史

ジャガイモが生んだアンデス文明

2014年2月19日 13:17

考古学や歴史学では、穀物農耕が文明を生む原動力になったという説が一般的。しかし、南米アンデスの文明に関してはあてはまらないようだ。従来、アンデス文明はトウモロコシ農耕を基礎に発展したと考えられてきた。しかし、1990年代になって、人骨のコラーゲンを抽出し、それを構成する炭素と窒素の量を測定することで、食生活を推定する方法が確立された(※陸上植物は光合成機能により、3タイプ<C3型、C4型、CAM型>に分かれる。測定により、そのいずれを多く摂取していたかがわかる)。アンデスの紀元前の遺跡から発掘した遺骨を調べた結果、C3型の摂取量は少なく、C4型の摂取量が多いことが明らかになった。トウモロコシはC3型である。また、C4型にはイネ類、ムギ類、サツマイモ、ジャガイモなどが含まれるが、寒冷高地に適したジャガイモを重要な食糧源にしていた可能性が高い。化学により、考古学の常識が覆されるケースは今後も増えていくだろう。

(参考 『ジャガイモの来た道』 山本紀夫)

「CAM型光合成」

「C3植物との違い」

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