数学

ナチスからイギリスを守った悲運の数学者(その2)

2014年9月12日 18:14

戦争が始まる前、チューリングは若き天才数学者として注目を集めていた。しかし、6年間にわたり暗号解読にかかりっきりになったことで、数学界からは忘れられた存在になっていた。暗号解読に関わっていたことを口外することは許されなかったため、周囲から賞賛されることもなかった。当時は違法であった同性愛者であったことがわかって、国家プロジェクトから外された。非難にさらされたチューリングは、失意のうちに1954年、青酸カリを飲んで自殺した。

実は、チューリングが戦後関わっていたのはコンピュータ関連のプロジェクトであった。チューリングは1936年に現在のコンピュータのもとになる「チューリングマシン」のモデルを考案したのだった。これを使い、人工知能を生みだしたいと考えていたが、賛同は得られなかった。2009年9月10日、時の首相のゴードン・ブラウンが戦後政府の対応について公式に謝罪し、2013年12月24日、エリザベス2世女王の名をもって正式に恩赦が発効された。しかし、名誉が完全に回復されたとは言い難い。

計算機科学分野の国際学会ACM(Association for Computing Machinery )が優れた業績を上げた人物に贈る「チューリング賞」は彼の名にちなんでいる。

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