地学

未だに明らかにされない月誕生のナゾ

2014年7月1日 18:59

1969年7月20日に人類が月に着陸してから、半世紀近くがたつ。私たちにとって身近なこの天体がどのようにしてできたのかは今も謎だ。主流となっているのは「ジャイアントインパクト説」。46億年前、誕生したばかりの原始地球に火星サイズの小さな天体がぶつかった後、砕け散った天体の残骸とえぐりとられた地球の表層の物質がくっついて月になったというものである。もっとも、すべての謎が解明されたわけではない。月の石の分析により、月と地球のマントルの組成はほぼ同一であることがわかった。なぜ、月の石にぶつかった天体に由来するものがほとんど含まれていないのだろう。この謎を説明するのに、次のような説が唱えられている。

●ぶつかった天体は「当て逃げ」していった。つまり天体が地球にぶつかった際に、自らは大きなダメージを受けずに、地球のマントルの大きな塊を宇宙空間にはじき飛ばして去っていた。その塊をもとに月が生まれた。
●原始地球は2時間に1度の高速で自転し大きな負荷がかかっていたので、火星の10分の1程度の小さな天体がぶつかっただけで爆発を起こした。天体が小さかったこともあり、飛び散った物質の大半は地球のものだった。そのため地球と同じ組成の月が生まれた。

もちろん、これらは仮説にすぎない。「ぶつかった天体の核は、融けた地球の深部へ沈んで、地球の核と合体した」という説も支持を得ており、それが正しければ、「当て逃げ説」は誤りということになる。
ジャイアントインパクト説自体に異を唱える向きもあり、まだまだ解明には時間がかかりそうだ。

「Birth of the Moon」
「ジャイアント・インパクト説」

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