地学

超新星が30倍明るく見えた秘密は「重力レンズ」

2014年9月12日 17:43

2010年、地球から見てみずがめ座の方向、約138億光年離れた位置に出現した超新星「PS1-10afx」が通常よりも30倍も明るかった理由が明らかになった。超新星とは、星が一生の最後に大爆発を起こして輝く現象。PS1-10afxがあまりにも明るい理由については、さまざまな説が流れていた。東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(※1)は、爆発から時間がたち暗くなった超新星をハワイ島にあるケック望遠鏡(※2)で観測。超新星の手前に新たに発見した小さな銀河が「重力レンズ」の役割を果たしていることを明らかにした。重力レンズとは、周囲の空間を歪ませて、光を曲げる重量場。レンズと似たような働きをすることからその名が付いた。超新星が現れた銀河と、重力レンズ現象を作り出す手前の銀河は、地球から見ると一直線上に重なっていた。そのため、これまで手前の銀河を発見できなかったが、分光観測結果などから存在が明らかになった。宇宙の遠方ほど天体の数が多く、重力レンズの発生頻度・超新星いずれの発生頻度も高い。今後も遠い宇宙で発生した超新星が重力レンズのおかげで発見されるはずだ。それにしても小さな銀河がレンズになるなんてびっくりだ。

(※1) 数学と物理学の連携により暗黒物質などの解明に挑む、東京大学総長室直属の国際高等研究所。2007年に設立された。2012年から、ノルウェー出身の発明家・企業家のフレッド・カブリ氏が立ち上げた財団の支援を受けることになり、名称が変更された。

(※2) ハワイ島マウナケア山頂天文台群にあるケック天文台に設置された光学赤外線望遠鏡。対角線1.8m、厚さ75mm、重さ400kgの正六角形の低膨張ガラスを36枚繋いで、有効口径10mとした世界最大級の望遠鏡である。2基保有され、数多くの天文学的発見をしている。隣は日本のすばる望遠鏡。マウナケア山頂は天候が安定して空気が澄んでおり、光害もない。赤道に近いのでほぼ全天がカバーできる理想の観測地だ。

  

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