地学

ガンマ線バーストで人類滅亡!?

2014年10月21日 22:41

オリオン座のベテルギウスは全天に21しかない1等星のひとつ。おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンとともに「冬の大三角形」を形成する星として知られている。ベテルギウスの直径は、太陽の約1000倍となる14億㎞。質量は太陽の10倍ほどだ。
ベテルギウスは、今、晩年に差し掛かっている。近い将来(※)に超新星爆発を起こすと考えられる。質量の大きな星が爆発すると、中心部にブラックホールが生じる。星の外層はブラックホールに飲み込まれながらも、自転に引きずられてドーナツ状へと変形し、自転が高速だと「降着円盤」という渦に変わる。降着円盤の中心部は高速で回転するが、外周部の回転速度はそれより遅いため、摩擦熱が生じる。そして、限界を超えると、内部に蓄積されたエネルギーは自転軸から超高エネルギーのビーム、ガンマ線バーストとなって飛び出す。
地球がガンマ線バーストに直撃されたらどうなるだろう。ガンマ線によって大気のオゾン層が失われると、太陽からの紫外線が強いまま届くので、地上や海・湖沼の表面近くに生息する生命の大半は死滅する。まさに地獄である。
幸い、ベテルギウスの爆発で、そのような事態が起きることはなさそうだ。村上敏夫・金沢大学名誉教授によると、「星の重さで考えると、(ガンマ線バーストが起こるかどうかは)境界線上」であるものの、「ベテルギウスの自転軸は地球から20度それており、直撃はしない」とのことだ。とりあえず心配はいらないようだ。

※ ベテルギウスの寿命は1000万年程度と考えられており、超新星爆発はいつ起こってもおかしくない。ただ、数万年から数十万年の時間の範囲の中の可能性だ。超新星爆発が起こるのは、今日かもしれないし、数万年後かもしれない。ただし、642光年離れているから観測できる光やガンマ―線が届くまでに642年かかる。すでに平安時代に爆発しているのかもしれない。

「ベテルギウスの最期 」
「ベテルギウスの最期:超新星の兆候とその威力」
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